はかどる。

ー工務店と建てる・建築家と建てない家づくりー

家づくりの最適ルート

今回は、家を一軒建ててみた経験から、家づくりの最適な流れをまとめたいと思います。

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一階にある寝室


まずは資金計画を立てる

家を建てよう!と思うと、まずは住宅展示場に行ったり、スーモカウンターに行ったり…と思われる方が多いかと思います(私たち夫婦もそうでした)が、正直これは全くの時間の無駄でした。

自分の理想の家のビジョンがない状態、家についての知識がない状態で住宅展示場に行っても、単に立派なお家をなんとなく見るだけ…営業マンの営業トークに付き合わされるだけ…になってしまいます。

ですのでまずは、資金計画を立てることをおすすめします。インターネット上でも、近隣でもプロがパターンごとの資金のシュミレーションを作成してくれる無料のサービスがたくさんあります。

我が家の場合は、(まだ子どもの影も形もないうちから)子ども2人を大学まで奨学金なしで一人暮らしさせる、車を10年ごとに買い替える、ときには海外旅行に行く…というような設定で作成してもらいました。
このシュミレーションのおかげで、家にどれくらいお金をかけられるのかが明確になり、安心して家づくりを進めることができました。

わたしは、立派に住宅展示場を構える大手ハウスメーカーを全くおすすめしませんが、住宅展示場に行くとしても最低限の準備として資金計画をしておかないと、モデルハウスは約1億円程度の建物が多いでしょうから、実際には全く手の届かないものを見るという時間の浪費になってしまいます…

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理想の家を考える

資金計画を立てたら、次は、自分たちにとっての理想の家について考えます。

理想の躯体性能を考える

まずは、「どんな性能の家に住みたいか」が重要です。というのも、ハウスメーカー工務店には得意分野や不得意分野がもちろんあり、どんな性能の家でも建てられるわけではないからです。

何もない状態から性能について具体的に考えるのは難しいので、こちらの本をおすすめします。

www.instagram.com

 

どのような性能の家に住めば健康に生活できるかに特化して書かれているので、家づくりの第一歩として最適です。絵や写真も多いので抵抗なく読めると思います。

この本を読んだあとに、今住んでいる家の悪いところ(良いところ)を書き出してみると更にざっくりと理想の家が見えてくると思います。

例えば、
・冬場に浴室と脱衣室が異常に寒い→断熱・機密性の高い家にしたい
・床が冷たい、素足で暮らしたい→無垢の床や、蓄熱式床暖房を採用したい
というような感じです。

それらを今後の建築家・工務店選び、その後の打ち合わせに備え、一覧にまとめておきます。

理想の生活導線を考える

せっかく注文住宅を建てるのであれば、家の間取りに合わせた生活をするのではなく、自分の生活に間取りを合わせるのが理想的です。

朝起きてから寝るまで、自分と家族がどういった導線で生活しているのかを書き出し、その生活の中で不便なところ(便利なところ)を見つけ、理想の生活導線を導き出します。

わたしの場合は、
・朝に家族と洗面所の使用時間が被るのが不便→洗面台を広くしたい、別途ドレッサーを設けたい
・畳んだ洗濯物を各部屋のクローゼットに収納するのが面倒→クローゼットを集約したい、洗濯物を干す・畳む場所と収納する場所を近くしたい
・雨天の外出時、自家用車に乗車するまでに傘をさすのが不便→玄関直結のガレージを設けたい
などなど…書き出すことで、些細な不満から、どういった間取りの家に住めば満足度が高いか、譲れない条件は何かがわかってきました。

そして、それら現在の生活導線と理想の生活導線、譲れない条件も今後に備えまとめておきます。

間取りの方程式

間取りの方程式

  • 作者:飯塚 豊
  • 発売日: 2014/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 導入としておすすめの一冊です。

 

理想のテイストを考える

自分がどんなテイストの建築物が好きなのか、明確に好みがわかってない場合は、建築雑誌やインスタで素敵!と思うものを片っ端から見ていきます。逆に、全く良いと思わないものも見ていきます。

すると大体の好みが把握できるので、自分の好きなテイストの建築物を建てるのが得意な建築家や工務店を探すことができるようになります。

理想の土地・庭を考える

通勤・通学などを考慮したエリアについてはもちろんですが、例えば、理想の家が「庭で食事のできる平屋」のような場合は広めの土地が必要かもしれませんし、「オール電化太陽光発電で電気代のかからない家」の場合は、日当たりが重要になります。

我が家の場合は、ごみ集積所が近く(でも家からすぐには目につかない)、団地ではなく、隣家との距離がある程度とれるところ、実家から自家用車で10分程度の距離…などが希望でした。

全ての希望に沿うことは難しいかもしれませんが、条件が多ければ多いほど絞り込みができるので、土地が探しやすくなると思います。

また、家が建ってから後手に回りがちな外構についても、初期から考え、理想を持っていると、土地が選びやすいだけでなく、後々、庭はこうしたかった、資金が足りない…家の構造上できない…と後悔することもなく、家と一体で計画していけるので最高ですね(わたしたちはこれができていませんでした…)

荻野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピ

荻野寿也の「美しい住まいの緑」85のレシピ

  • 作者:荻野 寿也
  • 発売日: 2017/04/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
建築知識2018年7月号

建築知識2018年7月号

  • 発売日: 2018/06/20
  • メディア: 雑誌
 

 どちらも良書です。

 

条件に合う建築家や工務店、土地を探す

ここまで準備できれば、土地探しと並行して、建築家や工務店探しができると思います。候補が見つかった後も、これまでまとめた理想についての資料を印刷して打ち合わせに持参すれば、各建築家や工務店に対し何度も同じ話をする必要もありませんし、チェックリストとしても使えます。

 

まとめ

なんとなくで家づくりをスタートすると、見学や打ち合わせでかなりの無駄な時間が発生します。理想の家を考えてまとめるのは一見面倒くさそうな作業に思えますが、実際はかなりの時間の短縮になりますし、夫婦であれやこれやと話し合うのはとても楽しかったです。

夫婦でじっくり話し合った成果かわかりませんが、同じ目標に向けて協力できたので、家づくりに関して揉めることは一度もなく、入居後もお互いに家を大切に扱いながら生活できているように感じます。

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ガレージと直結の玄関

 

 

me-921.hatenablog.com

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我が家のご紹介

まずは、我が家について、予算、なぜ工務店と建てたのかの経緯、建築物のスペックなど大体のところをお伝えしたいと思います。

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建築予算

建築予算は、土地と建物を合わせて夫婦二人で借りられるローンの上限額約5000万円。
購入した土地が2200万円でしたので、必然的に残りの2800万円が建物分ということになります。

因みに土地は90坪。関東圏の割と便利な片田舎にあります。

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着工当時。隣接する研究所の借景の木々が豊か。

 

大手ハウスメーカーと建てない

プランに満足できない

ということで2800万円の予算で家を建てることになったわけですが、当時検討していた大手ハウスメーカー数社では、わたしたちが建てたい家をの実現には全く予算が足りず…「一生を捧げて借りたローンでこの程度の家しか建たないのか」と、作成された叩き台のプランを見て夫婦で絶望したのも今ではいい思い出です(笑)

 

不明瞭な見積もりと値引きが恐怖

プランに満足できなかっただけではなく、大手のハウスメーカーでは「お二人のご職業が●●なので200万円値引きします!」「今月中に契約すれば太陽光発電システムを無料でお付けします!」など、まだ建築物の総額もわからないうちから、理屈のよくわからない値引きを提示されたのがとても怖かったです。 

 

 高すぎる利益率

大手ハウスメーカーはTVCMや住宅展示場のモデルハウスなど、宣伝広告費に多額を費やしています。聞いたところによると、モデルハウス一棟の一年間の維持費は、人件費などを含め約1億円…!

そのほかにも豪華な打ち合わせスペースや、見学に行っただけでディズニーランドのチケットがもらえるなど、高すぎる利益率によって維持されているものが多すぎる印象でした。

 

工務店と建てる

それから工務店を検討し、設計の自由度が高く、明瞭会計の工務店と出会い、契約に至りました。
具体的に明瞭会計とは「建築部材・人件費のすべての原価に対して25%の利益をとる」というもので、とても安心できました。 

 

建築家と建てない

工務店と家を建てることが決定したあと、家づくりの勉強をしていくうちに、雑誌やインスタで掲載されているようないわゆる「建築家」と呼ばれる方と建てたおしゃれな家に憧れるようになりました。

建築家に依頼する財力がなかったこと、工務店との契約も済み、設計も進み、建築家と組む段階はとうに過ぎていたこと、などの理由から、自力でおしゃれな家を建てよう!と決意しました。

※実際に建築家と建てる家とは遠く及ばないことは理解していますが、素人でもここまでやれる…というところを今後ご紹介していければと思います。

 

大体のスペック

我が家を端的にご紹介するとこんな感じです。

  • 夫婦の寝室が一階にある半平屋(子供部屋のみ二階、スキップフロア有)
  • 外壁が塗り壁
  • 外張り断熱(W断熱)
  • 蓄熱式床暖房
  • 14.7kwの太陽光発電システム搭載
  • 玄関直結のガレージ
  • 家一軒丸ごと塗装壁(夫婦で自主塗装)
  • オーダーキッチン
  • 海外製食洗機
  • 造作建具

いろんな要素が功を奏し、エアコンは家一軒に対し1台で快適な高気密・高断熱の健康的な家ができました。
収納や導線についても考え抜いたため、入居して1年近く経った今でも散らかったことはありません(子どもが産まれたあとどうなるか内心びくびくしてます…)

また、海外製食洗機やルンバ、部屋干し場所の確保などにより、印象としてはほぼ家事をしている自覚がない程度にまで生活が楽になりました。

デザイン面でも満足しています。

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まとめ

結果として予算内で、工夫と努力次第で、やりたいことをほぼ全て詰め込んだ家づくりが出来ました。
時間と労力はかかりますが、安易で楽な道に流されず、家づくりをしてよかったなあと心から思います。

わたしも建築中にたくさんの方のブログやインスタにお世話になりましたので、これから少しづづ細部をご紹介して、少しでもこれから家づくりをされる方に情報提供ができればいいなと思います。

 

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ブログスタート

はじめまして 

みいと申します。
2017年から20代夫婦という家族構成で家づくりを開始し、2019年の9月に無事(?)に完了し、入居しました。

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我が家のダイニングキッチンの様子


今は臨月の妊婦で、もうすぐ娘が誕生し、3人家族になる予定です。

 

ブログ開設のきっかけ

これまで、インスタで我が家の建築ネタについて備忘録として残してきました。

www.instagram.com

 

ご覧になっていただければわかると思いますが、わたしの備忘録はインスタの記事としては長すぎるんですね。
長すぎるよなあ…でももっと書きたいこと・残したいことがあるんだよな〜と感じながら続けてきましたが、ブログなら余すことなく書きたいことが書けるのではないかと思い、勇気を出して開設しました。

 

書きたいこと

出産・育児を控え、これからますます“映え”なくなる予定の我が家ですが、インスタも続けながら、本ブログでは建築関係のことをメインに、育児のこと、日用品のこと、お金のことなど、できる限りリアルにお伝えしていこうと思います。

 

 

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